片柳すすむ

かたやなぎ 進
日本共産党前川崎市議会議員
市議会傍聴レポート(議会活動報告) 活動レポート

最低300億円…川崎アプローチ線より市民のくらし

2023年10月18日

10月17日、市民団体が共同で「川崎南部まちづくりツアー」を行いました。私も案内人の一人として「川崎アプローチ線&東海道貨物支線貨客併用化」と「JFEスチール跡地利用」について資料提供とお話をさせて頂きました。その資料を紹介します。まず1回目は「川崎アプローチ線&東海道貨物支線貨客併用化」についてです。

■川崎アプローチ線とは

尻手~浜川崎間を走っているJR南武支線を川崎駅乗入れにする計画です。川崎駅から国道15号線までの旧貨物線跡地に再度線路を設置する必要がありますが、そこには既に川崎市の「ふれあいプラザ」をはじめ30軒以上の民家や店舗があります。

東海道貨物線貨客併用化とは

 桜木町から浜川崎を高架で通りJRの塩浜貨物駅から地下に入り品川までつながる東海道貨物支線に客車も走らせるという計画です。総延長33.3km、総事業費は5500億円と見込まれています。国土交通省が見込む『B/C 費用便益費』は0.3。つまり、発生する便益の3倍以上の費用が建設等にかかると見込まれています。

↑2016年交通政策審議会資料より作成

■臨海部大企業の都合のいい計画 

 川崎市の『臨海部ビジョン』という計画があります。「川崎臨海部が発展し続け、世界の模範となる産業拠点となるよう企業をはじめとする皆様とともに30年後を見据えた計画」として「30年後に企業がありたい臨海部の未来像を企業関係者や研究者らで話し合い、そこから逆算で計画を立てる…」手法で策定しています。企業にとって都合のいい計画です。

「企業がありたい未来像」であれば当然企業自身の責任で行うべきですが、「多様な主体が協働する」と言いながら、ほとんど川崎市の主導で行う内容になっています。市の担当者はこの計画は「川崎区の住民団体や市民から意見聴取は行っていない」と回答しています。

■国の審議会でも「収支採算性に課題がある(計画)」と

 国の交通政策審議会は、川崎アプローチ線について「収支採算性に課題がある」と答申しています(上表参考)。市議会で共産党が「採算の取れない赤字路線を300億円(*総事業費試算)もかけて進めるべきではない」と質問したところ、臨海部国際戦略本部長は「適切な対応を図る」と、民家などの立ち退きも辞さない趣旨の答えでした。また、300億円かけて整備する理由について質問したところ「臨海部に働く方々からのヒアリングなどでも交通機能強化のご意見を頂いた」と、臨海部大企業の要望に応える形で進めていると認めました。

*「300億円」という額は路線の総延長と標準的な価格から算出したもので、現在の物価等で算出した場合さらに高騰することが予想されます。

■アプローチ線の予定地の多くを市が取得済ー市民のために有効活用を

アプローチ線予定地の多くは、すでに市が買い上げて市有地となっています。川崎駅にも近く、不足している認可保育園や特別養護老人ホームを作るのにうってつけの土地です。また多くの方がなくなった火災事故の起きた簡易宿泊所のある地域でもあります。
高齢者と共に、若者や子育て世帯をふくめて住居に困っている方々を受け入れる「福祉ゾーン」として活用することも可能ではないでしょうか。

片柳すすむ

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