3月10日の川崎市議会予算審査特別委員会で、以下の5点について質問しました。
①一斉休校措置-非常勤の教職員の給与補償を、②八丁畷駅前踏切の拡幅、③休日診療所の施設整備、④台風19号にかかわり河港水門とJR京浜東北線ガード部からの出水とその対応について、⑤市民ミュージアムの被災について
です。
今日は「④台風19号にかかわり河港水門とJR京浜東北線ガード部からの出水とその対応について](後編)として、JR京浜東北線ガード部からの出水と対策について報告いたします。
(議事録ではありません。正確には後日発表される議事録をご覧ください)
質問1 JR京浜東北線ガード部の多摩川堤防 法令で求められる高さからどれくらい低いのか
次に、台風19号によるJR京浜東北線ガード付近での出水についてです。
2月27日に市長らが国土交通大臣に行った要望で「堤防の最も高い部分が計画高よりも40cm程度低い状況」と述べています。この地点での法令で求められている計画高、余裕高、堤防の天端高さと幅について伺います。またこれらの必要な高さや幅に対して現在の堤防はどれだけ不足している状況なのか、伺います。
答弁1(建設緑政局長)
JR京浜東北線ガード付近での出水についての御質問でございますが、多摩川を管理している国士交通省京浜河川事務所によりますと、幸区堀川町付近の河口から6.2km地点の計画堤防高は、多摩川の計画に関する高さの基準として採用されているA. P.表記で、余裕高の1.5mを含めて7.34m、現況の堤防高は、7.29mとのことでございます。当該箇所につきましては、現況の堤防高が計画堤防高に対し、5cm不足しているとのことでございます。
質問2 橋脚根元付近はひび割れ危険 「築堤」「水衝部対策」の現状は?
今答弁された数値は、国土交通省が200mごとに発表している数字で、最も低い部分からはズレています。
京浜東北線のすぐ脇の東海道線ガード部分の堤防はこの数値よりさらに極端に狭く低くなっており、ガード下から見ると手前側が下がっているのが分かります(2つ上の写真)。
この付近から出水して国道409号線のアンダーパスが10月12日の夜10時半から朝方まで浸水したとのことです。
実際に橋脚の根本付近には水で削られ土が掘り崩されている痕跡や、橋脚のコンクリートが傷んでいる様子もうかがえました。まず、この最も低い部分の計画高、余裕高、堤防の天端高さと幅について示させるよう市から国に対し要望してください。よろしくお願いします。
次ですが、国土交通省は2017年度にJR京浜東北線ガード部分周辺の堤防等の整備について、堤防を築く「築堤」と、「水衝部対策」つまり多摩川が湾曲して水流が強くなっている部分の、水流を弱める工事や堤防の下の部分を強化する工事などが必要だとしています。そして「当面7年で整備する箇所」とされていますが、その具体的な内容について伺います。
答弁2(建設緑政局長)
JR京浜東北線ガード付近における堤防等の整備についての御質問でございますが、多摩川を管理している国士交通省京浜河川事務所によりますと、京浜東北線を含む右岸側、川崎市本町地先につきましては、築堤及び水衝部対策を平成30年から着手し、現在、施工中とのことでございます。
また、現況堤防が計画高に不足している箇所の整備につきましては、流域自治体等の協力を得ながら実施していくとのことでございます。
質問3 ここで堤防が決壊すればすぐ川崎駅・市役所 対策を国に求めよ(片柳)
先ほど述べたように、橋脚の下のコンクリートが傷んでいます。ぜひ局長や市長も現場を確認してほしいと思いますが、もし多くの通勤客を運ぶ京浜東北線や東海道線の橋脚が水流で破損すれば大事故に発展する可能性があり、首都圏交通の大動脈がストップし、本市にも大変な影響が及ぶ事態になりかねません。
また、この部分の堤防が決壊すれば、短時間で京急川崎駅付近から市役所まで浸水します。その際には川崎市役所付近は最大3mの浸水が予想されています。
浸水までの時間は京急川崎駅や東口バスロータリーでは堤防の決壊から30分未満、この第二庁舎は30分から1時間未満、第3庁舎は2時間未満と想定されています。
法令に示された基準を多摩川の堤防が下回っているという現在の事態は、市役所の機能が停滞し、また民間企業や商業施設が集中し市民生活の中心である川崎駅前にも多大な影響を及ぼす危険性の極めて高い状態です。一刻も早い改善が必要です。今回、市長と2区長が要望した「堤防のかさ上げ」にとどまらず、早期に水制の設置や法尻の強化など水衝部対策を行うよう強く求めるべきですが伺います。
また、かさ上げ工事などを行うとしても、JRと京急、国道409号線などへの影響が予想されます。ガード部分の工事をどのように行う予定なのか、うかがいます。
答弁3(建設緑政局長)
JR京浜東北線ガード付近における堤防等の整備についての御質問でございますが、京浜東北線を含む右岸側、川崎市本町地先につきましては水衝部対策等に平成30年から国が着手し、現在、施工中と伺っております。
また、現況堤防が計画高に不足している箇所の整備につきましては、流域自治体等の協力を得ながら実施していくとのことでございますので、本市といたしましても、国と連携し、多摩川の治水安全度の向上に取り組んでまいります。
最後の意見
よろしくお願いします。多摩川の堤防を見ると、川の反対側の法面は土のままとなっている部分がほとんどで、もし増水し堤防を水が越えたときには土が削られて堤防が決壊する恐れがあります。莫大な費用のかかる「スーパー堤防」にしなくても、この裏のり部とそこに接続する法尻部をコンクリートで覆うなど越水に耐えられる構造にすれば、越水しても堤防を守り被害を抑えることができます。
市長が要望したのは「かさ上げ」だけでしたが、急いで、裏のり部、法尻部の強化などの水衝部対策も、市から国に求めて頂くよう要望します。