川は下流の平地では、くねくね曲がって流れます。洪水になるとカーブの根本部分をショートカットする新しい流路ができて、元々の湾曲部は次第に切り離され陸に取り残されて、三日月型の湖や沼などになります。これが「三日月湖」です。
左下の地図「治水地形分類図」の横縞の部分(旧河道)を見ると「つ」の字型に現在の渡田新町公園からはじまる古い河の跡が出ています。
約70年前の航空写真(右下)でも新町公園が沼だったこと、水路が「つ」の形に続いている様子が見えます。かつて多摩川は南河原~尻手~池田~渡田と流れ、その跡の三日月湖を埋め立てたのが『渡田新町』の由来とのこと。中央の地図を見ると、新田神社や成就院を中心とする集落は水の来ない「微高地」にあったこともわかります。
「昔はここが多摩川だったのか」と知るのは面白いし、川崎市の防災を考えるきっかけにもなります。
*地図は「今昔マップ on the web」((C)谷謙二)により作成。
1950年頃の渡田新町公園付近(航空写真) |
1900年頃の渡田新町公園付近 |
治水地形分類図 |